来年のロンドンパラリンピックに向けた挑戦が本格的に始まった。
まずは7月にカナダのトロント市で行われたスピットファイヤーチャレンジ大会。
参加国は、カナダ、アメリカ、イギリス、メキシコ、日本の5カ国。
昨年のアジアパラ優勝という日本の栄光は、アジアの中での話。
アジアNo1は、今世界では通用しない。
世界で戦えるチーム作りを本格的に始める時が来た。
今回のカナダ遠征には、2016年のブラジルパラリンピックを見据えた若い年代でチームを構成した。
世界と戦っていく力を付けるために重要なことは「成長する力」だ。
成長するためには、育っていくための十分な土壌と時間が必要。
特に時間は限られている。
いつか日本代表になってパラリンピックに行きたい!と夢を持ったとしても、そのイベントがやってくるのは4年に一度。
選考会はその4年前から始まるし、日本の中で存在感を作っていくには、さらにその前から、ということになる。
だから若い時からたくさんのことを経験し、上へ上へ成長するための土台をどんどん作っていくことが必要なんだ。
「上手になってから」「準備ができてから」では遅い。
その機会を手にできる時にするべきだ。
変わるのはそこからなんだから。
世界の技術や戦略はどんどん進化していく。
その進化に十分に付いていけるだけの選手の成長力が何よりも貴重だ。
成長することをやめた時に負ける。
逆に言えば、成長し続ける者が勝つ。
それが世界の戦い方だと僕は思う。
今回のカナダ遠征の時のみ、現日本代表の岩佐ヘッドコーチに変わって僕がヘッドをすることになった。
初めて世界でヘッドコーチをつとめた。
この大会には恩師のマイク・フログリーコーチも来ており、緊張した大会になった。
カナダ遠征のテーマは、Outside the Box。
ある友人から教えてもらった言葉だ。
自分たちの知っている世界の外側を覗いてみよう!という意味。
世界には自分の知らない、色々な人がいる、色々な場所がある。
色々な言葉がある、考え方がある。
色々なバスケットボールがある。
たくさんの素晴らしい選手であふれている。
そして、強い。
その世界を覗き、知り、自分自身を見つめてみよう!ということだ。
それが若者たちの成長へとつながる!
試合は、アメリカとカナダがパラリンピックの予選の選考会を兼ねるということでそれぞれ2チームを参加させてきたため、合計7チームとなった。
試合数は合計8試合。
選手一人ひとりが課題を持ち挑戦する時間は十分にあった。
結果は、2勝6敗。メキシコに2勝した以外は敗戦。
高度な車椅子操作、巧みな連携プレイ、正確な状況判断とシュート確率。
今持っている実力を最大限に活かしても、全く通用しない世界がここにある。
アメリカの持ち点2.5のある選手の今年のシーズンレコードは、3ポイント19本で合計61点だそうだ。
しかも彼はまだ大学生。
若くてうまい、そして、かっこいい!
日本の若い選手たちはこの大会中、今まで日本では見たこともないほど素晴らしいプレイを見せてくれた。
そう、彼らは変わり始めていた。
このレベルで戦える日を夢見て、僕もコーチとしてまだまだ勉強しよう!