「今の自分では“絶対”に勝てない!」

「今とは違う自分にならなければ、世界の頂点では“絶対”に戦えない。」

これは僕がシドニーパラリンピックの日本代表で世界最高峰のオーストラリアと戦って感じたことだ。

自分自身では、一生懸命頑張り、できる限りのことをし、自分の限界に挑戦していたように思っていたが、
世界の山の頂には程遠かった。

ただの自己満足・・・

その時は「メダルを目指してます!」と、
あたかもその山の頂に近づいているようなことを周りに言ってみたが、実際はそうではなかった、わけで。

世界の山の頂は、ずっとたか〜いところにあり、その高さを知らない僕は目の前の小さい丘を登っていただけ。

それが現実だ。 
恥ずかしい。

 

先日あるテレビ番組で、
バンクーバーオリンピックフィギュアスケートの浅田真央選手を指導するタラソワコーチが
「自分の限界に挑戦し、それを達成できたものが金メダルをとれる」と言っていた。

 

ずど〜んと心に響いた。

限界に挑戦し、それをa´A¨達成″しないと、そこにはいけないんだよね。

挑戦するだけでは、足りないんだよね。

挑戦して、達成しないと、美しくないんだよね。

 

自分の限界に挑戦すれば、勝手にそこに連れてってくれるものだとばかり思っていた。

 

そして、競技においては、その文字の通り、必ず誰かと競っている。

だから、自分の限界に挑戦するだけでは、十分ではない。

自分の限界に挑戦し、それがその相手との競い合いの中で達成できたとき、その山の頂に行けるとしたら、

「強い」人間にのみ、それは成し得るのだろう。

 

そして、世界最高峰の頂を目指すオリンピックはまた特別だ。

モーグルの上村さんを見ていてもそう思った。

最高のパフォーマンスをしても、届かない、圧倒的な世界がまたそこにある。

フィギュアスケートのショートでは、自己ベストを出した浅田選手のあとに、世界最高得点を叩き出すキムヨナ選手がいた。

二人で競い合いながらどんどん山の頂上を高くしていく。

人間の可能性をどんどんどん高いところへ引き上げていく。

だんだん誰も手の届かないところへ行ってしまう。

 

そんな素晴らしい競い合いを観戦しながら、人のミスを密かにに願っている自分がいる。

「こいつがミスをすれば、勝てる!へへへ・・・」と悪魔がささやく。

なんとも、醜い(笑)。

 

素直に「挑戦する人たちの素晴らしさ」を応援したい。

 

今年もNO EXCUSEは日本一を目指してスタートしました。
まずは今週末(2/27 )の東京都大会から。
詳細はこちら
http://noexcuse.jp/top.html

  
 
ーーーーー 及川晋平氏プロフィール ーーーーー
1971年生まれ。千葉県出身。16歳のとき骨肉腫になりローテーションの手術をする。持ち点4.5。22歳のときに強豪千葉ホークスで車椅子バスケを始め、2年後に渡米。 NBAシアトルスーパーソニックスが傘下に持つ車椅子バスケチーム、94年全米優勝 チームFRESNOなどいくつかのチームを渡り歩き、現在東京都にあるNO EXCUSEでプレ イする。1998年シドニー世界選手権、2000年シドニーパラリンピック、2002年北九州世界選手権の日本代表選手。また、1年に一度海外のコーチを招待して行う車椅子バスケットボールキャンプ(JCamp)のトータルコーディネーターも務める。