NPO法人Jキャンプ(http://homepage.mac.com/campfrom2001/)の研修として、車椅子バスケのコーチングクリニックに参加するため、6月中旬の1週間、今年もアメリカのイリノイ大学へ。



今回も、2000年シドニーパラリンピックの日本代表チームキャプテンをつとめ、Jキャンプで共に活動する根木さんと一緒に。
(根木さんのブログはこちら→http://adapted-sports.blog.eonet.jp/default/

イリノイ大学には、大学公認の車椅子バスケットボール部があり、選手たちの何人かは特待生として奨学金を得ながら日々練習している。
海外からの留学生も多い(ちなみに、我がNO EXCUSEからも1名、現在留学中だ)。

イリノイ大学は全米でも有名なトップクラスの大学で、もちろん選手たちは文武両道。
一定の学力を保持していないと退部になるというルールもあり、学生にとっては結構厳しい環境だ。

ヘッドコーチは、マイク・フログリー氏。
16年前の留学時代からの恩師でもある。



マイクは、カナダ代表チームのヘッドコーチでもあり、シドニー、アテネのパラリンピックを2連覇し、北京ではチームを銀メダルに導いた。

誰もが認める世界一の車椅子バスケのコーチだ。

この素晴らしい環境を持っているイリノイ大学からは、パラリンピックに出場する選手が多い。

海外から留学してくる生徒も多く、卒業生は各国の代表選手として活躍する。

今回のコーチングクリニックには、イギリス、アイルランド、カナダ、アメリカからナショナルチームレベルのコーチ、スタッフが参加した。

また、このクリニックと並行して、近い将来パラリンピックに出場してくるであろう若い選手たちのキャンプ(ジュニアエリートキャンプ)が行われた。

ここにもイギリス、カナダ、アメリカから選手が参加し、
「ナショナルチームに選ばれるとは?」
「パラリンピックで戦うこととは?」
という意識づけとともに、世界で戦うための車椅子バスケの基礎を学んでいた。



このエリートキャンプでマイクが選手に対してコーチングしながら、学びにきたコーチたちにコーチング方法を指導する、という流れ。

コーチングクリニックは全日程5日間で、朝7時45分から始まり、終わるのが夜の10時45分というハードスケジュール。
休みの時間は、朝、昼、夜のご飯の時間(各1時間)のみだが、実際の時間は15分くらい。

全てが英語なため、11時の講義終了後は深夜まで、根木さんと日本語で振り返りを行った。

講義では、ヘッドコーチがすべきことを、イリノイ大学、カナダナショナルチームでの取り組みをもとに、多岐に渡って紹介された。

(昨年の講義内容はこちらに掲載されています)
http://homepage.mac.com/campfrom2001/report/rep/018.html



僕は長年、NO EXCUSEで選手兼コーチをやっている。
今年の日本選手権もチームの優勝に向けて、色々な準備をし、3位になった。

 

ちょっと無責任な言い方をするが、

ヘッドコーチとはなんだろう?
実はそれが全然分かっていないような気がしてならない。

だから、毎年イリノイ大学にいる恩師に会いに行く。

 

僕が子どものころに出会ったコーチは、ただただ怖い偉そうな人だった。

何か失敗するとすぐ怒られた。

そこで質問をすると、
「自分で考えろ!」
と怒鳴られた。

決して答えは教えてくれなかった。

自分がやることは、
答えの知らない世界で、ただただ一生懸命やることだった。
見よう見まねでやることだった

「気合い」を入れることだった。

訳もわからず、興奮して、とにかく突進することだった。

それを諦めないことだった。

人はそれを「ガッツ」と呼んだ。

「鍛練」と呼んだ。

「気持ち」と呼んだ。

僕はそうやって育ってきた。

 

いま振り返ってみると、そのスポーツのことを何も知らない。
動き方はなんとなく覚えているが・・・・

本当にこれでいいのだろうか・・・

果てしない時間をそのスポーツに注いで、そこから自分自身に残せたものは、ほんのわずかなもののような気がする。

スポーツはこんなに訳のわからないものなのか?

 

そしてある時、恩師のマイクフログリーに出会った。

彼は、僕の道しるべになってくれた。

答えを教えてくれた。

 

努力する意味を教えてくれた。

楽しむ方法を教えてくれた。

 

ガッツの使い方
鍛錬の仕方
気持ちの持ち方

全てを言葉で伝えてくれた。

それはとても分かりやすかった。

今まで以上に努力することができた。

今まで以上にガッツが持てた。

今まで以上に鍛練できるようになった。

今まで以上に信念を持って、揺らがない気持ちをもつことができた。

 

彼は、登りたい山の登り方をいつも教えてくれた。

あとはそれを自分自身がどこまでできるかで、その山の高さは決まった。

答えはいつも自分の目の前にあった。

そんなコーチだった。

 

その彼が開催するコーチングクリニックは、圧倒的だ。

選手たちが納得する答えをいつも用意することがどれだけ大変なことかが説明される。

たぶん、選手の努力なんて非ではない。

コーチとはそういうものだ、

そう教えてくれた。

 

僕にはまだまだ果てしない学びの旅が続きそうだ



7月は全国大会が目白押し!
機会があればぜひ

■2010 DMS CUP 第19回東日本車椅子バスケットボール選手権大会
【日時】 2009年7月17(土)〜18日(日)
【場所】 長岡市市民体育館 (長岡市学校町1丁目2番1号)

■第36回のじぎく杯争奪車椅子バスケットボール大会
【日時】 2010年7月31(土)〜8月1日(日)
【スケジュール】7月31日(土)リーグ戦、8月1日(日)決勝トーナメント
【場所】兵庫県立障害者スポーツ交流館 
 (神戸市西区曙町1070 総合リハビリテーションセンター内)

 

  

 
ーーーーー 及川晋平氏プロフィール ーーーーー
1971年生まれ。千葉県出身。16歳のとき骨肉腫になりローテーションの手術をする。持ち点4.5。22歳のときに強豪千葉ホークスで車椅子バスケを始め、2年後に渡米。 NBAシアトルスーパーソニックスが傘下に持つ車椅子バスケチーム、94年全米優勝 チームFRESNOなどいくつかのチームを渡り歩き、現在東京都にあるNO EXCUSEでプレ イする。1998年シドニー世界選手権、2000年シドニーパラリンピック、2002年北九州世界選手権の日本代表選手。また、1年に一度海外のコーチを招待して行う車椅子バスケットボールキャンプ(JCamp)のトータルコーディネーターも務める。